バイリンガル

【バイリンガル 1-① 】バイリンガルの定義:流暢さって何?「基準のズレ」を考える

anne

前回の投稿では、23歳まで英語が話せなかった私が、様々な情報に惑わされながらも、現在8歳と6歳、3歳のバイリンガルの子供を育てていること、また自分がリサーチしてきてまとめてきた事を皆さんにお伝えしたいと思った理由について話しました 。

バイリンガル育児シリーズ
  1. バイリンガルとは?(WHAT)
    • ① バイリンガルの定義:流暢さって何?「基準のズレ」を考える ← 今日の記事
  2. バイリンガルを目指す理由とは?(WHY)
  3. バイリンガル育児のプランを立てる(WHEN/WHERE)
  4. バイリンガルになるための日々の生活(HOW)
  5. バイリンガルを育てる人・なる人(WHO)
  6. バイリンガル育児に役立つリソース(+)

今回はこれから始めるシリーズの1. バイリンガルとは?(WHAT) – ①という部分を触れていきたいと思います。

バイリンガルの定義はネットを調べればすぐに出てくるものですが、シリーズの中での認識を合わせるために、バイリンガルの定義と基準について目を通していきましょう。

バイリンガルの定義と基準はなに?

皆さんはバイリンガルに対してどんなイメージを持っていますか。

ある言語を流暢に話せるという事はどのくらいのレベルですか?どこまでのレベルが話せたら「バイリンガル」と呼べるのでしょうか。

単純に英語の意味を考えるとバイリンガルは、「bi – 二つの lingual – 言葉ということになりますが、多くの辞典では「二つ以上の言語を流暢に話すことができる人」と定義されています。

カナダの言語教育の専門家であるJim Cumminsは、バイリンガルを「母語としての言語的な能力と、第二言語(または外国語)の高度な能力を持つ人」と定義し、コミュニケーション、認知、文化的な側面が関与していると主張しました。

他にスイスの言語学者であり、バイリンガリズムと多言語主義の専門家であるFrançois Grosjeanはバイリンガルは「少なくとも二つの言語を流暢に使用し、それぞれの言語の文化的な特徴も理解している人」または「二言語またはそれ以上の言語や方言を日常生活の中で定期的に使用すること」と定義しています。

おすすめ書籍
バイリンガルの世界へようこそ: 複数の言語を話すということ

フランソワ グロジャン他

ここで皆さんに質問です。

文法も語彙も状況にあう完璧で自由自在に日本語を操れるアメリカ人がいるとします。

ただし、彼の発音はアメリカ人の訛りが強く、喋っているのを聞いていると外国人だとすぐにわかってしまいます。

彼はバイリンガルだと思いますか。それとも「日本語は外国語として流暢」だけど、バイリンガルではないと判断しますか?

元々はイタリアで生まれ育ち、10歳でイギリスに移住した女性がいます。

彼女の英語はイギリス訛りがあり、文法も語彙も完璧です。イタリア語は毎日使っていますが、中学生くらいの語彙しかありません。

彼女はバイリンガルですか?

私の個人的な印象ではありますが、人種の多様性がなく、生活の中で他の言語に触れる機会が少ない日本では、バイリンガルの判断基準が非常に厳しいですよね。

私はバイリンガル?日本人EFL学習者の自己省察に関する報告
私はバイリンガル?日本人EFL学習者の自己省察に関する報告

いくら流暢にその言語を操っていても、少し訛りがあったり、文法に誤りがあり、日本人が日本語を話せるのと同じレベル(発音・文法・語彙など)でないとその言葉のバイリンガルではない、と判断することも多いように思います。

それではいわゆるバイリンガル話者がいる多くの国々では、みんなどのくらいのレベルの言語を話せるのでしょうか。

次回は、日本とは全く違う“世界のバイリンガルの現実”を見ていきます。

合わせて読みたい
【バイリンガル 1-② 】日本のバイリンガル観を、世界の実例で比べる
【バイリンガル 1-② 】日本のバイリンガル観を、世界の実例で比べる
ABOUT ME
anne
anne
18歳まで海外旅行の経験もないモノリンガルとして育ち、英語はむしろ苦手な科目。その後、自分に合う外国語学習法に出会い、26歳で3カ国語を使うようになる。大学卒業後は外資系企業でマーケティングの仕事を経験し、のちに英語圏の大学院でMBAを取得。言語や文化、学ぶ環境が人の成長に与える影響を、仕事と実体験の両面から考える。

子どもの成長への関心から、AMI(国際モンテッソーリ協会)の0–3歳/3–6歳向けオリエンテーション(アシスタント)コースを英語・日本語で修了。理論として学んだことは、現在の子育ての中で日々実践の軸になっている。現在はイラストレーターとして活動する傍ら、小学生と未就学児の子どもを日本語と英語の両方に触れる環境で育て、子どもたちはそれぞれのペースでバイリンガルとして成長中。

このブログでは、バイリンガル育児、子どもの発達、家族での旅をテーマに、「理論だけでも、経験だけでもない」視点から日々の気づきを綴る。答えを教える場所ではなく、迷いながら育て、学び続ける過程そのものを共有したい。
記事URLをコピーしました