【バイリンガル 1-③ 】子どもは本当に「簡単に」言語を習得できるのか?

- バイリンガルとは?(WHAT)
- ① バイリンガルの定義:流暢さって何?「基準のズレ」を考える
- ② 日本のバイリンガル観を、世界の実例で比べる
- ③ 子どもは本当に「簡単に」言語を習得できるのか?← 今回の記事
- バイリンガルを目指す理由とは?(WHY)
- バイリンガル育児のプランを立てる(WHEN/WHERE)
- バイリンガルになるための日々の生活(HOW)
- バイリンガルを育てる人・なる人(WHO)
- バイリンガル育児に役立つリソース(+)
バイリンガルが世界の半分くらいの国で割と普通のことであり、バイリンガルの環境で育った殆どの人が自然にバイリンガルになれるなら、バイリンガルになる能力は誰にでも備わっていると言って良いと思います。
そして一般的に知られているように言語習得において、子供は特に素晴らしい能力を持っています。
赤ちゃんは大人とは違って文法や語彙を別途覚えたりしなくても言葉を習得していきますからね。
下手なモンテッソーリの知識を持っていた私は、ほんの数年前まで子供の「吸収精神」と「言語の敏感期」が相まって、子供の頃から他の言語に触れていれば、自然にその言語を吸収してくれるのではないかという期待していました。
(ここではモンテッソーリの「吸収精神」と「言語の敏感期」を否定している訳ではありません)
しかし、自分でバイリンガル子育てをしてきて、実はそんなに単純で簡単なものではない事に気付きます。
赤ちゃんは、毎日観察している
ご存知だと思いますが、その間赤ちゃんは毎日大人の話す言葉を注意深く聞き、口の動きを観察しや、音に注目しながら練習を繰り返しています。
赤ちゃんが「うーうー」「バーバー」という意味のない音から「ママ」「お菓子」という意味のある言葉を発するようになるまでは約1年くらいの時間を要します。
赤ちゃんは寝ている間も、起きている間も無意識に言語の習得を莫大なエネルギーを費やしているのです。
私の子供たちを見ても、彼らが毎日どれだけの努力をして言語を習得しているかは明らかでした。今でも毎日のように大人からフィードバッグをもらいながら練習を繰り返しています。

大人が外国語を学ぶ時とは違って子供たちはまだ正確な言語のルールが確定していないため、試行錯誤しながら言語を練習し、習得していくという違ったアプローチを取ります。
つまり日々ある特定の状況の中で間違いを繰り返しながら、言語を習得するための認知的な作業を行っています。
実際のコミュニケーションで言葉の意味やニュアンスを正しく理解し、一定のレベルで言語を話せるようになる3歳頃まで、非常に長い時間と継続的な努力をしていることがわかりますね。
バイリンガルになるのは、どのくらい難しい?
もちろん言語習得において、子供たちは驚くべき能力を持っていることは否定できません。特に、子供たちは間違いに対して敏感ではなく、まだ正しいルールが確定していないため、大人とは違って自由に試行し続けることができます。
ただし、子供たちの言語習得には個人差があるので、露出される言語の量や子供の興味、適応能力によっても異なるペースで習得が進むということは理解しなければなりません。
そのため、その能力を最大限に引き出すためには適切で持続的なサポートと環境が重要で、大人と教育者が子供たちに豊かな言語環境を長期的に提供する役割を果たさなくてはなりません。
誰でも生まれながらバイリンガルになれる能力は備わっていますが、蓋を開けて見れば赤ちゃんの時から外国語を教えても、バイリンガルになる道のりはやはり簡単に短期間で達成できるものではなさそうです。
マルチリンガルが普通とされる国でも全ての人が高いレベルで全ての言語を操られるようになるわけではないですしね。
なので、そこまでの時間と努力を費やしてバイリンガルを目指す必要があるの?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、周りがやっているからとか、何となく不安だから、など盲目的な理由で多くのリソースを注いだのに良い結果に繋がらないケースも多々目にします。
だからこそ、バイリンガルを目指す理由と目的の設定がバイリンガル教育の始まりに最も大事な要素だと思います。
つまり、なぜ自分の子供がバイリンガルになってほしいのか、そのWHYをはっきりさせるのです。
今回は「バイリンガル」という言葉の定義をいろんなコンテキストで考えてみて、子供たちの言語習得に対する考え方についても触れてみました。
次回は、バイリンガルになるための一歩を踏み出す前、バイリンガルを目指す理由について考えてみる時間を持つことで、長期的な目標を立てるための基礎を固めてみたいと思います。

