【バイリンガル 2-②】AIがあっても外国語を学ぶ意味はある?私がたどり着いた答え

私はずっと外資系で仕事をしてきていて、つい2〜3年前までは社内で日本語ができない外国人がいると業務遂行にかなり影響が出ていました。
資料を作ったら誰かが英語に直して伝えないといけないですし、会議に参加していたらそれを日本語に通訳するためのリソースを必ず取られてしまっていたからです。
しかし、最近は様々なAIツールのお陰でその大変さもだいぶ軽減されています。今では社内に英語しかできない外国人がいても以前のように本当に困ることは減ってきました。
- バイリンガルとは?(WHAT)
- ① バイリンガルの定義:流暢さって何?「基準のズレ」を考える
- ② 日本のバイリンガル観を、世界の実例で比べる
- ③ 子どもは本当に「簡単に」言語を習得できるのか?
- バイリンガルを目指す理由とは?(WHY)
- ① 幼児期から外国語を学ぶメリットー 脳・発音・言語発達の視点
- ② AIがあっても外国語を学ぶ意味はある?私がたどり着いた答え← 今回の記事
- バイリンガル育児のプランを立てる(WHEN/WHERE)
- バイリンガルになるための日々の生活(HOW)
- バイリンガルを育てる人・なる人(WHO)
- バイリンガル育児に役立つリソース(+)
AI時代に認知と言語学的領域の優位性を超える外国語学習の最大の利点
なので、英語ができなくても、その壁を乗り越えられるツールがたくさん出てきていて、幼児期からあれだけの努力とリソースを投資して英語を学ばなくても良い時代が来るかも?これからは英語を話せる利点はどんどん減っていくのではないか?と自問したこともありました。
英語を学ぶ上で、機能的な側面はすべにそこまで重要なポイントじゃなくなってきました。
そこで、皆さんに質問です。
皆さんはAIが全ての翻訳・通訳をこなしてくれる世界がきても英語を学ぶ利点があると思いますか?
バイリンガルになる最大の利点:社会性の発達
幼児期から第二言語を学ぶ、と考えた時、一般的には認知と言語学的領域の優位性が一番強調されます。
しかし、私はAIが精密に言語を操る能力を持つようになっても複数の言語を学ぶ利点が「社会的な発達」にあると考えます。
社会性発達の部分は、文化の理解や社会性の向上は外国語を学ぶ「付随的な利点」としか見られませんが、実はこれこそが一番大切で肝心な利点なのではないでしょうか。
一般的に子供が複数の言語を話せるようになると次のような利点があります。
- 共感能力の向上:一つ以上の言語を学ぶと自分が言ったことが誰かには必ず「通じない」という経験をすることなります。バイリンガルの子供は常に他者の視点や感情を観察する必要があり、その結果、自分とは異なる状況にある人に共感し、理解しようとする能力が高まります。
- コミュニケーション能力の向上:複数の言語を使い分ける経験は、子供が自分がどのように話をすれば相手に伝わるか、と言うシミュレーションを繰り返すように促します。そのため、状況に応じて柔軟にコミュニケーションを調整していく能力が付いたり、すぐに通じなくてもすぐにフラストレーションを感じることが減るようです。
- 多様性の理解:バイリンガルの子供は、常に異なる言語や文化が共存する状況に置かれているため、異なる背景や視点を持つ人々が存在することや、その人々と関係を築いくことを身につけられるようになります。
社会性が育つとはどういうことか
複数の言語を話すことで様々な人との関わりを持つというのは、自分とは異なる存在に対する理由のない恐怖心を減らしますし、他人と自分の失敗にも寛容的になりやすいです。失敗することを恐れないと、挑戦することも難しく感じなくなり、実際バイリンガル人はしばしばモノリンガルの人が持たない文化や社会的な経験の機会を得ることも多いです。
異なる文化やコミュニティに触れることは、様々な体験をする機会が増えたり、自分を多面的に見る機会も増え、人間は誰もが違いを持つ多様な存在、自分もその中の唯一な存在という健康な自我への認識を持つことになり、他人への尊重、自信と自尊心も向上に肯定的な影響が生じると言えます。
「他人と健康な関わりを持ちながら、失敗することに恐れず、自分を信じて生きていく態度」を育てられた肯定的な影響を受けて育ったバイリンガルの子供たちは自信と自尊心も高い傾向にあるのです。

そして認知的、言語学的、また社会的発達の優位性が相まった結果として得られる、あることを私たちは常に覚えておかないといけません。
バイリンガル教育で忘れてはいけない「言語よりも優先されるべきもの」
ここでバイリンガルを目指す上で最も重要な注意点の一つ話したいと思います。
ツールとしての言語習得は可能ですが、親御さんのアプローチによっては人間としては「本末転倒」な結果になってしまう可能性もあるということです。
いくらバイリンガルとして育てることができても、そうなるために誰かに比較されたり、英語学習を強要されながら育ってしまっては、バイリンガルになることで得られる強みを手にすることはできないということ。
つまり、脳の発達と社会性の発達において多くの利点 – 認知能力、脳発達の利点を享受するには、バイリンガル教育をする以前に、子供の人間としての発達が常に優先される必要があるというのを必ず覚えていてください。
この部分を理解せずに英語を学ばせ不自然な環境を強要された子供が様々な問題を抱えてしまうというのは幾度も聞いたことがありますし、バイリンガル子育てのデメリットとされる問題でもあると思います。
だからこそ「目標とプラン」が必要になる
ツールとしての外国語を学ぶ以上にバイリンガルな環境で育つことは、子供の成長と発達において豊かな経験と素晴らしい可能性をもたらすということ、そしてバイリンガルになることよりも一人の人間としての発達が常に優先されなければならないというところまで納得して頂けましたでしょうか。
ここまでを理解し、どうせならバイリンガル育てるための時間と努力を投資していきたいとお考えの場合は、次の投稿に進み、その環境を整えるため家族の状況や環境に合った目標とプランを指標として立ててみる事で、最初の一歩を踏み出してみてください。

