英語・日本語バイリンガル:2歳児娘の言語発達
今回の投稿では、0歳から2カ国語バイリンガルとして育った子供は2歳頃にはどのくらいの程度流暢になっているのかについて触れていきたいと思います。
うちの家族は夫婦の間で4カ国を使っていて、日本語と英語は共通語です。夫婦2人の会話はどちらかというと英語の方が楽です。
娘が生まれた時はそのまま4カ国語を話せるようになったら最高だなと思っていましたが、最初バイリンガル育児に興味を持った時、言語発達についてよく耳にする話が2つありました。
- 2つ以上の言語を同時に習得させると言語発達が全体的に遅れる
- 大学に進学できるレベルの言語能力を備えるためには、一つの言語の使用頻度を3割くらいに維持する必要がある
この2つの一般的な知識を元にまずは英語と日本語だけを教えると決めていた私たちですが、実は最近、この二つの1つは間違った理解だったことがわかりました。
それでは英語、日本語のバイリンガルを目指して育てている娘の言語発達について、英語と日本語だけに集中しようと決めた理由、それぞれの言語のレベル、また言語環境を整える上で考えていることについてアップデートしていきます。
英語と日本語に集中すると決めた理由
私たちが娘に教える言語を日本語と英語に絞った環境的な要因と進学プランに関わる理由について話します。
- 英語に触れる時間が限られてはいけないと思った
- 小学校は公立と決めていたため、日本語力を付けたかった
- 他の2つの言語は周りにコミュニティーが少なく維持が難しいと感じたため時間を投資しない事にした
「二つ以上の言語を同時に習得すると言語発達が遅れる」?
娘が誕生して最初の半年くらいは、日常的に4つの言語を混ぜて使っておりました。例えば、私が娘と2人でいる時は英語・日本語以外の外国語を、夫と二人でいる時は英語と日本語、外出した時は日本語、といった感じです。
しかし、一歳を過ぎる頃に周りの赤ちゃんが「ママ」と言ったなどを聞いているのに、うちの子はまだ意味のある言葉を発していない、と言うのに少しだけ焦りを感じるようになりました。
それもそう、ママという言葉を少なくとも3カ国後で聞いているのだから、まだ話せないのかな?当時は十分なリサーチをしていなかったため、その時はまだ、「二つ以上の言語を同時に習得されると言語発達が全体的に遅れる」と言うの言語発達学的に間違っている情報を信じていました。
また主がアメリカ人で、夫婦の間では英語で話す割合が7~8割、2~3割その他の言語が混ざるというのもあり、他の言語では十分に触れ合うチャンスがないため、実際に使えるようにはならないのではと言う判断がありました。
日本の教育を受けていくためには日本語をしっかり学ばせたい
娘がまだ8ヶ月だったの時、保育園や幼稚園の見学に行きました。
家の近くにある、国際バカロレアのバイリンガルプログラムがある幼稚園の説明会に参加した時のことです。
ほとんどの保護者が日本語を母国語とする方々で、一番の関心はどこまで英語が伸びるかでした。
しかし我々の家庭は状況が異なりました。
家での共通語は7~8割英語で、日本で生活していくには日本語にも十分に触れる必要がある。
そこで主催者に質問をしました。
私たちの場合、主がアメリカ人で、家では主に英語をはなしています。幼稚園で日本語サポートはどのくらい期待できますか。
この幼稚園では英語と日本語を半々に分けて生活する事になります。小学校とその後の教育はインターを考えていますか。
中学校からの予定ははっきりしませんが、小学校はおそらく日本の公立小学校になると思います。
なるほど。ご家庭の言語が主に英語で日本の公立小学校に行く予定であれば、うちの幼稚園だけで触れる日本語の量だと足りない可能性があるので、幼稚園以外でサポートする必要があります。
なるほど、、、英語は確実に高いレベルで出来るようになって欲しい、なんなら日本語よりは英語の方が大事、だけどお家で別途日本語のサポートをしていくのは難しそう。
それなら、普通の保育園でしっかり日本語の能力をつけてほしいと考えると、高いお金を払いバイリンガル幼稚園に入れる必要はないと判断しました。
そして、日中保育園に通い始めたタイミング家では基本的に英語で、保育園が日本語というのが定着、英語と日本語で話す場所を分けるという方法を選択することになりました。
第3、第4言語を排除して思うこと
実際、今のところ娘の言語発達の様子を観察していると、ディレイが発生するだろうという心配とは違って、英語と日本語でばらつきはあるものの、モノリンガルの子供と同じくらいのスピードで発達が進んでいます。
リサーチによるとバイリンガルであることと、言語発達のスピードはあまり関係がなく、発達の個人差。一歳半くらいの頃から日本語と英語以外で積極的に話しかけるのをやめてみて思うのは、そこにもう一つの言語が加わっても結果はそこまで違っていなかったかもしれないと言うことです。
もちろん、それぞれの言語の露出割合をある程度維持する必要があるので、言語の数が増えればその分環境を整えるのは大変になりますが、完全に二つの言語だけに絞ったことによって、他の言語との接点を失ってしまったのは実は勿体無いことをしてしまったかもしれません。
(2023年の時点で、2つの言語だけに絞ったことを後悔しています)
2歳児バイリンガルの英語と日本語のレベルは?
2歳児バイリンガルは2つの言語をどのように使い分けているでしょうか。
日本語に触れる時間が一日9~10時間、英語は3~5時間ほどです。逆に週末はほぼ英語だけの生活ですし、祖母、祖父と話す時は第3、第4言語が入ってきます。
平日は一日中保育園で過ごしている時間が長いので、夕方は日本語が自然に出てきていますが、私たちと夕方時間を過ごしてからは朝にはまた英語に戻っていたり。時間で見ると日本語が週に47時間、英語を使っている時間が51時間ほどです。
時間帯によって主要言語Dominant Languagesが変わるのは、モノリンガルとして育った私からみると興味深いところでしょうか。
2歳児は「2語文を話せるようになる」と言うのが言語発達の大きな特徴なので、まだ両方の言語で複雑な言葉を話すことができない、というのは日本語と英語の発話の違いを生み出す一つのものかと思っています。
日本語の発話
日本語の場合、保育園で先生からの話を聞いている時間、お友達と遊びを通じて自然に言語を使う時間が出来上がるので今の年齢ではこれ以上よい環境はないと感じています。
そしてどうしても言語発達レベルが似ているお友達と日本語で過ごす、露出されている時間が長いためか、日本語の文章の方が自然な感じで作られている様子です。
また繰り返し話をしながらフィードバッグを得る過程、またそこに遊びが加わるというところで特定の文章が反復される頻度が高いように感じます。
今のところ単語が全部分からない時は「何々ちゃんがータタタしてー食べーてタタった」みたいな宇宙語になる事もありますが、語彙が揃ってないのに、状況を説明しようと文章を作っていて、特定の語彙が分からなくても文脈で意味が通じていますね。
友達の間で遊びながら使っていて、反復されるフレーズの場合は、すごい自然な感じで「ママ、ちょっと狭いからあっち行って」としっかりした日本語を言えたりもしてます。
英語の発話
日本語に比べると英語でお友達と話す時間は圧倒的に短い娘。
また英語の場合、ほとんどが私たち夫婦の大人の会話を聞いたり、文章もより複雑で完成されていて、語彙のレベルも高いです。
そのためなのか、語順が全く違うからか、文章を作るのにもう少し時間かがかかっているようです。
文章を作る時は3~4単語ほどを繋ぎ合わせて「Baby rabbit wear blue pants」「Mommy rabbit cooking food」となんとなく意味が通じる簡単な文章になることが多かったり、語順が逆になったり。
また多くの文章と語彙は複雑で抽象的な私たちの会話を真似ているというよりも、より子供のレベルに合った絵本から来ていると感じます。
どちらも言語でも試行錯誤を繰り返して練習を重ねながら日々話せる言葉が増えていく、ゆっくりとした伸びをしています。
バイリンガル2歳児にもモチベーションは大事
去年の今頃は「ああーううー」とかしか言えなかった娘が、自分の欲求を表現したり、保育園で何があったかを教えてくれるまでになり、正に言語の爆発期とも言える時期です。
最近感じているのが、教えようと思っている言語だけを喋るコミュニティーとの関わり。
ここ数週間、英語が日本語に比べてなかなか伸びないなー思っていたのですが。
その時にふと気が付いたのが、土曜日の朝の英語のクラスを2週間くらい休んでいたということ。
私たちは毎日家で娘と英語で話していますが、外に出れば全て日本語ですし、普段誰も娘に英語で話かけてくる人はいません。
同じ年頃で英語で遊ぶ仲間がいない…
すると英語で話そうという娘のモチベーションを維持するハードルが高いのかもしれません。
娘がモチベーションをキープできるように、いくつかコミュニティーを作ってあげたいと考えています。
バイリンガルになるため、日々の観察と調整は欠かせない
長女とは英語と日本語に集中してバイリンガル子育てをしていくと決め、家では英語、家の外では日本語をキープしてきました。
最近、長女は日本語の方が自然になってきて、英語の文書を作るのはまだスムーズ行かないですが、単語を並べてコミニケーションが取れる感じです。
ただ現状は英語を話せる仲間がママとパパに限られているので、モチベーションをなくしてきている気がしているので、同じ年頃で英語ができるコミュニティーを作ってあげたいと考えています。
バイリンガルを育てる日々の努力と悩みが今日も続きます。